大切な家族や親族が亡くなった後、遺族は遺品整理をしなければなりません。
まだ悲しみが癒えないままおこなわなければならない遺品整理は、残された方にとって心理的に大きな負担となることがしかしあります。
しか、しネガティブなことばかりではなく、遺品整理をすることで故人への気持ちを整理できる大切な作業でもあります。
遺品には家電や家具、日用品といったものだけでなく、財産になるような高価なものも含まれている場合があります。これら多くのものを仕分けして適切に整理していくのは、大変なここから、遺品整理の基本的な方法をまとめました。
何から手を付けていいかわからないという場合は、ぜひ参照してみてください。
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1.遺品整理前の準備
遺品整理は故人の持ち物の多さにもよりますが、大きな家具や古くなったものも処分しなければならないので体力が必要な作業です。
遺品整理は本格的にスタートさせる前に準備をしておくことで、高速に作業を進行することができます。
必要なもの
遺品整理は荷物を運搬する作業や掃除など、やらなければならないことがたくさんあります。
家具や物を移動させる場合、想像しているよりも多くの埃や汚れが部屋中に舞います。ハウスダストに敏感な方は、できれば目を保護するゴーグルも用意しておくと良いでしょう。
ゴミの処分方法は地域によって異なるので、地域指定のゴミ袋を用意し、分別方法も事前に確認してください。
引っ越しで活用されるダンボールやガムテープ、荷ひもは、遺品整理にも活躍します。ダンボールにまとめて入れて運んだり、荷ひもを使ってまとめたりすると運ぶ便利便利です。筆記用具があればダンボールに直接メモすることもできるので、準備しておきましょう。
もし、高価な美術品や家具などを業者に頼んで運搬してもらう場合は、カメラを準備して搬出前に荷物の写真を撮っておくと後のトラブルを防ぐこともできます。
やっておくこと
遺品整理前に、何日までに何を片付けるか、貴重品は何があるかなど綿密な計画を書き出しておきましょう。
業者に依頼する場合はどこの業者に依頼するか、捨てるものやリサイクルに出すもの、買い取ってもらうものは何なのか、お手伝いの親族は何人集まれるのかなど、細かなところまでシミュレーションすることで滞りなく遺品整理をおこなうことができます。
遺品は相続の問題が絡んでくることもあるので、しっかりと遺族同士で相談しながら計画を立てておきましょう。
2.遺品整理の手順
遺品整理は、業者に依頼する場合と個人で作業する場合とでは手順が異なります。それぞれの手順を理解することで、計画を立てやすくなります。
業者に頼む場合
遺品整理を専門とする業者に依頼する場合は、まずは業者選びからスタートしなければなりません。業者選びの際は、どこまでの作業を依頼するのかを明確にしておく必要があります。
不用品は処分し買い取れるものは買い取ってくれる業者や、処分のみを専門としている業者、清掃や整頓までトータルしてすべて請け負ってくれる業者など、それぞれの業者によって作業内容や料金に違いがあります。まずは、自分が希望する作業内容にあった業者に連絡をして見積もりを依頼しましょう。
見積もりと作業内容に納得したら、日程を決めます。日程が決まれば事前に依頼した作業内容で業者が作業してくれるので最後に確認して終了です。
業者の中には悪質な業者も存在するので、優良業者をしっかりと見極めて依頼しましょう。
個人でおこなう場合
個人でおこなう場合は、遺族同士で相談してまずは大まかに処分するものと残すものを分類していきます。残すものが決まったら、その中から形見分けを選別していきましょう。
次に、処分するものの中から売れるものと捨てるものに分類していきます。売れるものは、自分で買取業者まで持っていくのか、買取業者が引き取りに来てくれるかを確認して業者の指示に従いましょう。
自分で処分する場合にトラックが必要な場合は、あらかじめレンタルしておかなければなりません。
3.期限がある場合も
遺品整理に期限が定められている場合もあります。それぞれの状況をみていきましょう。
期限あり
個人が賃貸住宅に住んでいた場合、契約上のルールに従わなければならないため遺品整理を急がなければならないケースがほとんどです。
賃貸の場合は、月をまたぐと翌月の家賃が発生してしまうので、月末までに遺品整理をおこなわなければ遺族が家賃を払う必要があります。
契約内容によっては、部屋を整理してからでないと退去届を出せないこともありますので、亡くなってすぐに遺品整理に取り掛かるということも多いです。
期限なし
故人が持ち家の場合は、遺品整理に明確な期限はありません。遺族の気持ちの整理がついてから遺品整理をスタートさせることができます。
一般的に遺品整理を開始する目安は、四十九日法要が終了してからの場合と相続の手続きや死亡保険金の請求、世帯主変更届といった死亡後に必要となる手続きが終了した頃におこなわれることが多いです。
遺族が他県に住んでいる場合や遺族同士の予定が合わない場合でも、自由に遺品整理の日程が決められます。
4.物品ごとに処分の仕方が異なる
遺品整理で頭を悩ませることのひとつに、物によって処分方法が変わってくるという問題があります。
燃えるゴミや燃えないゴミの分別はもちろんですが、処分品の中にはどの分別で出せばいいか悩んでしまうものも存在します。
例えば消化器や金庫は、家庭用ゴミとして出すことができないため専門業者に依頼する必要がありますし、冷蔵庫やエアコンなどはリサイクル家電としてリサイクル料を払って処分してもらう必要があります。
ゴミの分別は、地域によって細かい規定が定められているので、処分する地域のルールに従って処分しましょう。
処分方法に不安や疑問がある場合は、管轄する自治体に問い合わせ、正確な情報を聞いておく必要があります。
5.処分の仕方まとめ
物品によって処分方法が異なるという紹介をしましたが、ここからは具体的な処分方法について解説します。
不用品の中には一般家庭ゴミとして容易に出せるゴミのほかに、家具のような大きな粗大ゴミもあります。
自力で処分できない物が多いときは業者に依頼したり、買取可能なものがある場合は買取業者に買い取ってもらったりする方法があります。
業者を利用して処分
着物や宝石、貴金属、製造から5年以内の比較的新しい家電製品などは高い値が付くこともあるのでリサイクルショップなどの買取業者を利用する処分方法がおすすめです。
形見分けしないで処分したいという場合には、お金に替えることができるので利用すると良いでしょう。
買取してもらう場合は、適正価格で買取してもらうために事前に相場等のリサーチをすることをおすすめします。
個別に対処する
各自治体の処分方法に従って、自分でゴミ処理場へ持っていくという方法です。人手があり、運搬できるトラックを借りることができる場合には、まとめて処分できます。
ただしゴミ処理場によっては、引き取りできないものもあるので、事前にどのようなものなら処分が可能か調べておきましょう。
不用品回収
トラックが借りられない、遺族が集まれず人手が足りないなどの理由で、自分でゴミ処理場へ持っていけない場合や処分したいものが大量にある場合は、不用品回収をしてくれる業者を利用すると便利です。
費用はかかりますが、一度に不用品を処分できるので、遺品整理にかかる時間を節約できます。
また、幅広い種類の不用品処分が可能なので処分方法がわからないものがある場合には、一度処分場に相談してみると良いでしょう。
ゴミとして捨てる
一般家庭ゴミとして普段のゴミ出しのついでに捨てられるものは、少しずつ小分けにして処分するという方法です。
燃えるゴミや燃えないゴミなど、簡単に見分けがつくもので小さいものを処分する場合に有効です。搬出する労力も少なく、少人数や一人の場合でも対応できることができます。
しかし、地域の分別方法を理解していないと、ゴミ収集場所を管理している方や地域の方に迷惑となるので、事前に確認をしてから処分しましょう。
6.遺品整理にかかる費用
遺品整理を開始するにあたって、気になるのはやはり費用のことです。遺品整理をおこなうには、どのような手段を使っても少なからず費用は発生します。
適切な価格で遺品整理をおこなうために、一般的な費用相場も理解しておきましょう。
業者を利用する場合
遺品整理を業者に依頼するメリットとして、時間の節約や少ない労力で遺品整理を完了できることが挙げられますが、やはりそれなりの費用は発生します。
遺品整理業者の多くは、部屋の間取りや物の量で料金を出すことが多いです。部屋が広ければ広いほど、物が多ければ多いほど料金は高くなる傾向にあります。
例えば、1DKの費用相場は3万円〜10万円です。それよりも広い部屋の場合は、10万円以上かかります。複数の業者から相見積もりをとって、あらかじめ値段を把握しておきましょう。
値段をできるだけ抑えようと、値段ばかりに注目しないように注意してください。なぜなら格安料金を謳う業者の中には、基本料金は安くとも不必要なオプションを付けて値段を釣り上げる悪徳業者も存在するからです。悪徳業者に依頼してしまった場合、料金トラブルや遺品整理がしっかりおこなわれない等のトラブルが起きる可能性があります。
悪徳業者に騙されて損をしないためにも、作業内容と値段をしっかり見て業者を選ぶようにしましょう。
個人でおこなう場合
個人で遺品整理をおこなう場合は、不用品を処分する際の費用はかかりますが、業者を利用する場合に比べ格段に費用を安く抑えられます。
不用品積み放題サービスをおこなっている業者に依頼すれば、1㎥あたりの費用を1万円ほどに抑えることが可能です。
手間と労力は必要ですが、賢く不用品を処分する方法を選べば格安で遺品整理ができます。
不用品の処分方法を、インターネットでリサーチしたり、自治体に問い合わせるなどで確認しておきましょう。
7.費用を抑える方法
多くの方が遺品整理にかかる費用はできるだけ抑えたいと思うものです。遺品整理の費用相場を解説しましたが、工夫次第ではさらに安く抑えることができます。
さまざまな角度から、費用を抑えるコツを見ていきましょう。
処分費を減らす
個人で遺品整理をおこなう場合、不用品の処分費を削減することが費用を抑えるポイントとなります。個人が無料で処分できるものはできるだけ自分で処分し、個人で運び出せそうにない大きな物の処分は、不用品回収業者選びがポイントとなります。
さまざまな不用品回収業者の中から、できるだけ安くサービスの良い業者を選ぶために見積もりや比較を丁寧におこないましょう。
リサイクルする
処分ばかりを考えず、使えそうなものはリサイクルするということを視野に入れておくことも大切です。家電製品や家具など買うと高いものや比較的長く使えるものは、欲しい人がいないか知人や遺族同士で相談してみましょう。
できるだけ売る
売れるものはできるだけ売って、お金に替えるという視点を持ちましょう。着物や貴金属、宝石類、美術品、骨董品など、売れるものはないか確認しながら仕分けをしてください。
売れるか売れないかわからないものは、安易に捨てるのではなく、買取可能なものであるか業者に確認することで買い取ってもらえる可能性もあります。
たとえ買取金額が安くても、どうせ処分することを考えているなら売って手放すという選択肢は、費用を抑える上でとても大切な考え方です。
まとめ
・スムーズに遺品整理をするためには、開始前の準備と計画が必要
・賃貸物件などで期限が指定されている場合は、早めに期限の確認と遺品整理をスタートさせる
・業者に依頼すると時間と労力の節約になるが費用は高くなる
・業者に依頼した場合の費用は、部屋の広さと物の量で決まることが多い
・悪徳業者も存在するため、遺品整理業者を選ぶ際は複数から相見積もりをとって作業内容や費用をトータル的に見て決定する。
・個人で遺品整理をすると時間と労力はかかるが費用は処分費のみで終わることが多い
・不用品の処分は自治体のルールに従う
・遺品整理の費用を節約するには、捨てるだけでなく売ることやリサイクルして使うことも視野に入れると良い
故人の住んでいた家が大きければ大きいほど、遺品整理はお金も労力もかかる大変な作業になります。できるだけ安く、そして確実に遺品整理を行うために遺族で相談しながら計画を立てて実行してください。
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