文書作成ツールとして一世風靡したワープロですが、パソコンの普及により影が薄くなり、約10年前にはその製造自体が終了となりました。
しかしながら、ワープロ愛用者は一定数存在し、中古市場では現在も取引がなされています。
断捨離等で古いパソコンを発見したら、処分してしまう前にまずは買取を検討してみましょう。価値のある機種であれば意外な高値がつくことも。
ワープロの買取価格の相場や処分時の注意点についてご紹介します。
目次
どんなワープロが買取可能?5つの基本ポイントを紹介
ワープロと一口にいっても、機種や状態はさまざま。機種や本体・付属品などの状態によって、買取の可否や査定額は大きく変動します。
どのようなワープロであれば買取してもらうことができるのでしょうか。
査定する側のポイントを知っておくことが、適正な買取査定額を算出してもらうことにつながります。
ワープロ買取査定時にポイントとなることについてみていきます。
①愛用者が多数|有名メーカーのもの
まず、一番に確認されるのは、該当ワープロのメーカーです。
ワープロに強いと言われたメーカーや、全盛期にたくさんのワープロ機種を販売していた有名メーカーのものであれば、それだけ販売台数が多く愛用者がたくさんいるということです。
愛用者の多いメーカーの誰もが知る機種のワープロは買取に有利です。
中古ワープロを求める側は、高齢者等が多いことから馴染みのある機種を求める傾向。従って、中古ワープロ市場ではレアなメーカーのものより、有名メーカーのものが望まれます。
また、有名メーカーの機種であれば、製造販売後の今も部品が比較的手に入り易いため修理が可能であることも、買取が有利な理由といえます。
②使いやすいと愛される|人気の機種のもの
ヒット商品には理由があり、電化製品の場合は「使いやすい」というのもヒットの大きな理由になります。
かつて人気を博し、その世代の多くの人がその名を知る人気機種は中古市場で売れ筋です。
パソコンではなく中古であれワープロにこだわる人の心理としては、新しいものに一から馴染むことに抵抗があるということが考えられます。
その点、人気の機種、使いやすいとされる機種のワープロであれば今までの知識で使用できるので、選ばれやすいとされます。
いま売ろうとしているワープロを購入した際には当時人気のあった機種をセレクトしている可能性は充分あります。
手元のワープロについて、査定前にまずはその機種が人気のものであったのかどうかについて調べておきましょう。
③メンテナンスしやすい|なるべく新しい機種のもの
1970年代に産声を上げたワープロことワードプロセッサーは、1980年代、1990年代に最盛期を迎え、2000年代前半に順次製造が終了しています。
中古ワープロがある程度の人気であるとはいうものの、あまりに古い機種のものは買取が難しいのが現状です。
なるべく新しい機種のものが買取業者から好まれます。
古すぎるワープロは、修理のための部品などが手に入りにくく、メンテナンスが難しいもの。
製造中止となったものの、比較的新しい機種であればパーツが出回る可能性もあるため、メンテナンスの面からなるべく新しい機種であることが効果買取の条件とされます。
④査定の決め手|付属品が揃っている
査定の際の重要なポイントの一つは付属品、購入時についてきた周辺機器が揃っているかどうかと、それらの状態です。
ワープロを新規で購入した時点では、いくつかの周辺機器が同梱されています。
ワープロの場合、記録保存は主にフロッピーディスクで行います。フロッピーディスクドライブが取り外し可能な外部式になっているいわゆる外付けタイプのものは、査定時にドライブも一緒に持ち込みましょう。
印刷吸込み口にセットする用紙フィーダーも必須。他にも機種によってついている、用紙(ハガキ)トレイや、専用インクリボンが良い状態で残っているなら、こちらも一緒に査定に出すとよいでしょう。
専用のフロッピーディスクなども、査定に関係することがありますので、もし一緒に保管していたものがあるようなら準備しておくことをおすすめします。
⑤高値のポイント|正常に動く
良い査定を得るためのポイントの一つは当たり前ともいえますが、正常に作動することです。
古いワープロの場合、長く放置したままで「電源が入るかどうかわからない」「本当に動くかどうかわかならい」場合があります。
査定に持ち込む前に先ずは自分で電源を入れ、正しく作動するかどうかを確認しましょう。
ワープロの状態によってはすぐに動作が鈍く、すぐに立ち上がらないことも。
しばらく、電源を入れておくと正常に作動し始めることがあります。
持ち込み先の業者によっては、直ぐに電源が入らないと返されてしまうこともありますので、動く状態にしてから査定に持ち込むのが正解です。
高額査定を勝ち取る3つのポイント
自宅やオフィスで発見した、若しくは不要となったワープロをどうせ売るのであればできるだけ高く売りたいものです。
同じワープロでも、少し気を付けるだけで査定額に差が生じることも。
高額査定を受けるためのポイントを知り実践することで、納得価格でワープロを手離すことができます。
①値段が変わる|説明書・付属品・外箱が揃っている
買う側の気持ちになって考えると、中古品であっても新品時の状態に近いものであれば高額で買うことも厭わないのではないでしょうか。
販売が終了し、新品購入が叶わないワープロ市場においては、新品と変わらぬ状態の中古品はかなり良い金額でやり取りがなされます。
外付けフロッピーディスクドライバー、給排用紙トレイ、など付属周辺機器は揃っているでしょうか。
説明書や購入時の保証書などが残っているようであれば査定時に一緒に持ち込むとポイントアップ。
捨ててしまうことも多い外箱ですが、どこかに残っていないか必ず確認しましょう。外箱の有無で査定額に大きな差が生じることがあります。
既に失くしてしまっている場合は仕方ありませんが、「探せばどこかにあるかも」という方は査定前に探しておくと高額買取につながる可能性があります。
②必須の3つ|入力・編集・印刷が正常に動く
パソコンに比べ、単機能であることがワープロ好きな人にとっては長所とされています。
ワープロの必須機能は、文字入力、文書編集、印刷です。
これら3機能が正常に機能していれば、文書の作成や年賀状などの印刷まで実施することができ、その役割を充分に果たします。
即ち、入力・編集・印刷作業がワープロの3大役割ですのでこれがきちんと作動するかどうかが買取可否に直結します。
ワープロを査定に出す前には、これら3つの機能が揃っているかを確認のうえ、業者に持ち込むようにしましょう。
③ワープロの華|液晶がキレイに映る
ワープロの基本機能、「入力・編集・印刷」ついで重要なポイントは液晶画面のキレイさです。
液晶画面は指の油汚れや、場合によって食べ物のカスがついて汚れていることがあります。またワープロの熱により埃等が焼き付いてしまっていることも。
汚い液晶画面のワープロは価値が下がります。
固く絞ったタオルで液晶画面を軽く拭き取りましょう。
それでも取れない汚れは、パソコンやテレビ液晶画面用の専用クリーナーを使って汚れを拭き取ります。
液晶の色むらや傷が気になる場合は素人処理を行わずそのまま買取時にその旨を伝えると安心です。
高く売れるワープロ!人気のメーカー5選
ワープロは人気メーカーの人気機種、かつ新しいタイプであればあるほど高値がつきます。
査定に持ち込む前に手元のワープロが人気機種であるかどうかを確認しておきましょう。
中古市場で人気のワープロメーカーをご紹介します。
①SHARP 書院|査定額:7,000円〜7,500円前後
日本語ワープロの4巨頭のひとつ「書院」は大手電気メーカーシャープ株式会社のワープロシリーズです。
1970年代の発売をスタートに、時代に合せた進化をとげ「表計算」や「はがき専用」のソフトが内臓されているものもあります。
タッチペン方式を取り入れたのも書院の特徴です。
パソコンの目覚ましい台頭でワープロが衰退の一途を辿る中、2000年まで新機種を生み出していた書院。
それだけに未だにファンが多く、中古市場においても高値がつく機種となっています。
業者買取査定額の目安は7,000円~7,500円。但し、機種型によっては高額査定が難しいものや、買取そのものをしてもらえないことも。
機種型を確認の上、目安額より安い場合は合い見積もりなどで確認がおすすめです。
②NEC 文豪|査定額:10,000円〜
日本語ワープロの主要機種のひとつである文豪はNECより発売されました。
デスクトップ型、ノート型、ミニタイプなどいろんなタイプの機種が販売されています。
各機種型ごとに文字フォントや印刷機能に工夫とこだわりがあるのが特徴。
たくさんの型があるため買取料金にも幅がありますが、概ね6000円~10,000円程度。機種型によっては10,000円を超える査定額がつくこともあります。
ミニタイプは買い取り額が低い傾向で、機種型によっては買い取り不可となっているもののもいくつかあります。
③富士通 OASYS|査定額:10,000〜12,000円
富士通のワープロOASYSは、他社製品とは一線を画す個性的な商品として売り出されました。
親指シフトキーボードと名づけられた独特のキーボードを採用しています。
漢字変換機能が単純であることについて、その評価は分かれるとことですが好ましいとの声も多く他社ワープロとは異なる仕様で愛用者を獲得しているワープロです。
家庭でのユーザーよりもプロユーザーが多かったのもその特徴のひとつ。
根強いOASYSファンがいることから、査定額は高いワープロです。
買取査定額は5,000円~9,000円程度の機種型が殆どですが中には、10,000円を超える査定額のタイプもありますので、チェックしてみましょう。
④東芝 ルポ|査定額:14,000円〜15,000円
世界初の日本語ワープロを開発した東芝は、最初に業務用を次いで家庭用ワープロを発売しました。
業務用に比べ、低価格、小型化を実現しはがきソフトや、表計算ソフトといった実用的なアプリケーションを搭載し人気に。
東芝ルポの買取価格は機種型問わず全体的に高め。6,000円~10,000円の査定がされています。
機種型によっては、12,000円~、JW-9820などは15,000円の買取査定が算出されていることも。
高額査定のつく人気機種が多いのが特徴といえそうです。
⑤Canon キャノワード|査定額:7.000円〜
現在では当たり前となった「ローマ字入力」や、ワープロの誕生からしばらくしてスタンダードとなる「熱転写プリンタ」を初期段階から採用したキャノンのワープロ、キャノワード。
これも現代では常識と感じる、シリーズ内での文書の互換性維持もキャノワードが先駆けでした。
以上のような特徴から、キャノワードはビジネス利用者からの信頼が厚く人気の高い機種だったよう。
但し、現状の中古ワープロ市場での形勢はやや不利。値段がつく機種型であっても7,000円~8,000円程度。
キャノワードを取り扱わない業者も多いようです。
販売市場から見ると、需要は無いわけではないようなので、キャノワードの買取を希望する場合は、実績のある業者を探して査定依頼をしてみましょう。
買取に出す時は必ず内部のデータを削除しよう
断捨離や遺品整理などでみつかったワープロを買取に出す場合には必ず内部データの消去が必要です。
ワープロも機種によってはメモリ機能を有するものがあります。
現状のパソコンほどのメモリ機能はありませんが、年賀状の作成やビジネス文書の作成などをしていた可能性がありますので、情報をしっかり消しておくのが安心です。
ワープロのデータ消去は「初期化」処理を実施することで可能です。
一旦、初期化してしますと完全にデータは消えてしまいますので、対応前にワープロメモリの内容を確認し必要があればフロッピーディスクに写すなど作業をしておきましょう。
買取査定に持ち込む前には、内部データの消去処理を適切に行い、液晶画面やキーボード、給排紙部分等の埃や汚れをキレイに取り除いておくのも、良い査定を得るためのポイントです。
本体が壊れていても部品だけの買取もあり
「古いワープロを買取してもらうべく動作確認をしたが動かない」
「外付けフロッピーディスクドライバー等付属品が見当たらない」
「給排紙トレイが割れてしまっている」
など、いざ確認してみると不備があれこれみつかることが。
「これでは買取は無理」と諦めるのはまだ早いです。
ワープロは製造が中止された今、各パーツも貴重なもの。メンテナンスや修理のための部品・パーツを求めている業者もあります。
完全ではないワープロは、部品買取などを実施している業者に相談し見積もりをしてもらうと、値段がつくこともあります。
まとめ|捨てる前に買取査定を受けてみるのがおすすめ!
ワープロの買取価格や、買取依頼時の注意点について実際のシリーズの紹介を交え解説しました。
パソコン人気の陰で製造中止に追い込まれたワープロですが、その愛用者はまだ存在し、中古市場では売り買いが日々なされています。
断捨離等で古いワープロがみつかった場合は、すぐに捨ててしまわずまずは買取査定を受けてみましょう。意外な高値がつくこともあります。
古いワープロは、適切な対応を行った上で上手に処分してみてはいかがでしょうか。