「パソコンリサイクル法って何?」
パソコンを処分しようとしている方は、パソコンリサイクル法の詳細が気になりますよね。いらなくなったパソコンはリサイクルすることができます。
知っているようで知らないパソコンリサイクル法について、この記事では基本情報や対象品目、料金などについて解説します。また、記事の後半では処分前にやっておきたいこともまとめてあります。
これさえ知っておけば、パソコンを捨てるのに困らなくなりますよ。
目次
パソコンリサイクル法とは?内容や目的について徹底解説
「パソコンを捨てたい」と思ったときに気になってくるパソコンリサイクル法ですが、一体どのようなものなのでしょうか?まずは、内容や目的など、パソコンリサイクル法の基礎知識を知っておきましょう。
- 2003年10月~施行開始!改正資源有効利用促進法のこと
- パソコン製造メーカーに、回収・リサイクル・再資源化を義務付けるため
- 粗大ゴミで処分できないの?不法投棄になってしまうのでNG
それぞれのポイントについて解説します。
2003年10月~施行開始!改正資源有効利用促進法のこと
パソコンリサイクル法は、2003年の10月から施行を開始したもので、改正資源有効利用促進法に基づいて行われます。使わなくなったパソコンをリサイクルして資源に戻すまでを、製造メーカーが責任を持って行ってくれます。
さらに、2013年の4月に制定された小型家電リサイクル法では小型家電の回収・リサイクルが義務づけられました。小型家電リサイクル法により、家電量販店や自治体でもパソコンを回収してくれるところも出てきました。
回収するのは国から認められたパソコンメーカーであり、情報が漏れることのないように配慮されているので消費者にとっては安心です。パソコンは、日本郵便で全国どこからでも配送できるところもうれしいポイントです。
パソコン製造メーカーに、回収・リサイクル・再資源化を義務付けるため
では、どうしてパソコンリサイクル法ができたのでしょうか?それは、パソコン製造メーカーにパソコンの「回収」「リサイクル」「再資源化」を義務付けるためです。
もともとは製造メーカーに向けて作られたものですが、不要になったパソコンを廃棄できることは消費者にとって大きなメリットです。パソコンの製造メーカーが使わなくなったパソコンを回収し、再資源化センターで分解します。
そしてリサイクルできるパーツやパソコン内の金属類などは、ひとつひとつ再資源化されます。今までは粗大ごみとして捨てるしかなかったパソコンを、メーカーが回収してリサイクルしてくれるので、捨てるときに罪悪感を感じることがなくなりました。
粗大ゴミで処分できないの?不法投棄になってしまうのでNG
「いらないパソコンは、粗大ゴミで捨てていいの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。しかし、パソコンリサイクル法により、不要なパソコンを粗大ゴミで捨てることはできなくなりました。
パソコンを粗大ゴミとして捨てられないことは、自治体のハンドブックやゴミの出し方のパンフレットに書いてあるはずです。パソコンを粗大ごみとして捨ててしまうと、回収してくれずにゴミ捨て場にいつまでも残ることになりかねません。
また、不法投棄になってしまうこともあるので、粗大ゴミでパソコンを捨てるのはやめてください。なお、パソコンリサイクル法ではどんなパソコンでも捨てられるというわけではなく、捨てられるパソコンや付属品の種類が細かく定められています。
パソコンリサイクル法の対象・対象外品目について
パソコンリサイクル法の対象となる品目は一体何なのでしょうか?パソコンリサイクル法で対象外の品目を捨ててしまったら、大きな張り紙で注意を受けたり、最悪の場合は罰則を課せられることも。
パソコンリサイクル法の対象・対象外品目は以下のとおりです。
- 【対象】パソコン本体や標準の付属品など
- 【対象外】プリンターなどのパソコン周辺機器
「知らなかった」とトラブルにならないように、対象品目や対象外品目をチェックしておきましょう。
【対象】パソコン本体や標準の付属品など
まず、パソコンリサイクル法の対象となる品目をチェックしておきましょう。パソコンリサイクル法の対象となる品目は、以下のとおりです。
- ノートパソコン
- デスクトップパソコン
- 液晶(CRT)ディスプレイ
- 液晶(CRT)ディスプレイ一体型パソコン
- キーボード
- マウス
- スピーカー
- 電源ケーブ
CRTとは、ブラウン管のことで、液晶とは違いディスプレイが分厚いことが特徴です。ディスプレイとタワーが一緒についている一体型パソコンも回収の対象となります。
パソコンの本体や、パソコンの操作で標準的に使う付属品は回収の対象となると覚えておくと良いでしょう。対象品は、メーカーに回収の申し込みを行い、集荷の手続きを行いましょう。梱包はビニール袋か段ボールに入れて自分で行います。
【対象外】プリンターなどのパソコン周辺機器
次に、リサイクル法の対象外となる品目をチェックしてみましょう。対象外となる品目は以下のようなものです。
- プリンター
- スキャナー
- ワープロ
- PDA
- ワークステーション/サーバ
- ゲーム機
- 取り扱い説明書
- CD-ROMなどの記録メディア
リサイクル法の対象となるもの以外は、全て対象外ということです。プリンターやスキャナーなどはパソコンに付属して使うものなので、一見リサイクル品として回収できそうですが、リサイクル法では回収の対象外となっています。
これらの対象外の品目は、自治体の区分にしたがって、粗大ゴミか不燃ごみとして処分しましょう。ちなみに、テレビや冷蔵庫、洗濯機、エアコンは小型家電リサイクル法の対象となっているので、お近くの電気量販店や自治体で回収してくれます。
料金はどのくらい?パソコンリサイクルマークの有無による
さて、パソコンリサイクル法でパソコンを回収するにはいくらかかるのでしょうか?かかる料金は、パソコンリサイクルマークがあるかないかが大きく関係しています。マークありの場合とマークなしの場合の料金の目安は以下のとおりです。
- 【マークあり】2003年10月以降のパソコンは無料で処分可能
- 【マークなし】2003年9月以前のパソコンが対象!3,000円
マークありの場合とマークなしの場合に分けて、詳しく解説します。
【マークあり】2003年10月以降のパソコンは無料で処分可能
2003年10月以降に販売されたパソコンには、パソコンリサイクルマークが付いています。パソコンリサイクルマークが付いているパソコンは、無料で処分することができます。
パソコンリサイクルマークは、必ずしもカラーとは限らず、PCという太文字にぐるっとリサイクルを表す矢印が書かれたマークです。下に「リサイクル」と書かれているのですぐにリサイクルマークと分かるはずです。
たいていはパソコンの裏面に貼られています。
リサイクルマークが付いていると製造メーカーが無償で回収してくれ、パソコンを送るときの送料も負担してくれるので手軽に処分ができます。
無料で回収してくれるというイメージはありますが、実際には回収の費用も購入したときの費用に含まれているので、新たな料金を払う必要がないのです。
【マークなし】2003年9月以前のパソコンが対象!3,000円~
2003年の9月以前に販売されたパソコンには、パソコンリサイクルマークが貼られていません。リサイクルマークなしのパソコンを処分する場合は、有料になります。リサイクル料金は、処分する機器のタイプによって違います。
3,000円(税抜)で処分できる機器は以下のとおりです。
デスクトップパソコン本体
- ノートパソコン
- 液晶ディスプレイ
- 液晶ディスプレイ一体型
4,000円(税抜)で処分できる機器は以下のとおりです。
- CRT(ブラウン管)ディスプレイ
- CRT(ブラウン管)ディスプレイ一体型
デスクトップのパソコン本体とディスプレイを別々に処分した場合は、それぞれに料金がかかるので注意しましょう。なお、パソコンリサイクルマークの対象外となっているスキャナーやプリンターにはリサイクルマークは付いていません。
パソコンリサイクル法での処分の流れは?3つのステップ
パソコンリサイクル法では、リサイクルマークのあるパソコンは無料で回収できることが分かりました。ではどのように処分すれば良いのでしょうか?パソコンリサイクル法でパソコンを処理したい場合には、以下の3つのステップを踏みましょう。
- メーカー窓口に申し込みする
- 段ボールやビニール袋に梱包する
- 郵便局に持ち込むまたは引き取ってもらう
まず、自分の持っているパソコンの型番をチェックし、メーカー窓口に申し込みをします。各メーカーにはインターネット受け付けがあるのでいつでも簡単に申し込みができます。メーカー窓口一覧はこちらです。
メーカーからエコゆうパック伝票が送られてくるので、自分で段ボールやビニール袋に入れて梱包します。そして郵便局に伝票を貼って持ち込むか、自宅に集荷を頼んで送ります。このとき送料はかかりません。
>これで処分は完了です。あとはメーカー側が、利用可能な資源へとリサイクルしてくれます。
リサイクル前にやっておきたいこと
「パソコンを処分したい」と、パソコンを処分することだけに必死になってはいませんか?しかしリサイクル前にやるべきことをやっておかないと、後でトラブルになる可能性があります。
パソコンをリサイクルに出す前に、やっておきたいことは以下のとおりです。
- 大切なデータは引き継ぎ&バックアップしておこう【データ保存】
- パソコンにはあなたの個人情報が盛りだくさん【データ消去】
データの保存と消去は、パソコンの処分前に必ずやっておくべき大事なこと。それぞれなぜ大事なのか、そしてどうしたらいいのか分かりやすく解説します。
大切なデータは引き継ぎ&バックアップしておこう【データ保存】
パソコンを捨てる前に、必ずデータのバックアップをしておく必要があります。大切なデータとして保存したい情報は、以下のようなものがあります。
- 写真や動画
- 各アカウントのIDとパスワード
- 大切なエクセルやワードファイル
- ブックマークやお気に入り
「大切なデータは保存した」と思っても、ブックマークなどは忘れてしまいがち。それぞれ、忘れているものはないかもう一度確認しておきましょう。データの保存は、外付けのハードドライブか、CDやDVD、USBなどにしておきましょう。
ブックマークも新しいパソコンに引き継ぐことができるので、手順をネットで確認してみましょう。パソコンのデータは、消去してからでは復元ができなくなってしまいます。
大切なデータを失わないためにも、しっかりとバックアップをとっておきましょう。
パソコンにはあなたの個人情報が盛りだくさん【データ消去】
大切なデータを保存したら、あとはパソコンの中身を空にする必要があります。パソコンには漏れてしまっては困る個人情報がたくさん入っています。パソコンに入っている個人情報には、以下のようなものがあります。
- 氏名、住所、電話番号
- 銀行の会員情報
- 各サイトのログインIDやパスワード
- クレジットカード番号
- プライベートな写真や動画
- 閲覧したサイトの履歴
これらの個人情報は、悪用されると大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。消去ソフトを使って自分でデータを消去するか、データの消去業者に頼んで完全にデータを消去してもらいましょう。
ネットでも、無料で使える消去ソフトがたくさんあるので、それを利用してみるのもおすすめです。
パソコン製造メーカー以外でもリサイクルは可能!
パソコンは製造メーカーに送ると無料で回収してくれます。しかし、より簡単なリサイクル法もあります。小型家電リサイクル法など、梱包の手間をかけずに回収する方法もあるので、他にリサイクルする方法があるかどうかよく確認しておきましょう。
例えば、近所にリサイクルボックスがあった場合にはそのまま捨てられます。また、業者に買い取ってもらったり、オークションサイトやフリマアプリで売ることで、無料よりさらにお得に現金化される可能性もあるのです。
たくさんの選択肢の中から、自分に合った方法を検討してみましょう!
自治体や家電量販店でも回収可能
小型家電リサイクル法の施行により、自治体や家電量販店でも無料でパソコンを回収してくれます。わざわざ申し込み・梱包をして郵便局に行かずとも、そのまま捨てられるので便利です。
また、小型家電リサイクル法での回収の場合はリサイクルマークのないパソコンでも無料で回収してくれる場合があります。国に認定された家電量販店や自治体での厳しい個人情報漏洩チェックがあるので、セキュリティの面でも心配ありません。
古いパソコンを簡単に処分したい方には、小型家電リサイクル法での処分がおすすめです。ただ、全国全ての市町村で小型家電リサイクル法による回収がされているわけではないので、住んでいる自治体で回収しているかどうか確認しておきましょう。
使用できるパソコンは買取業者で見積りがおすすめ!
まだまだ使える比較的新しめのパソコンには、無料の回収よりもおすすめのリサイクル方法があります。それは、買取業者に買い取ってもらうことです。購入5年以内のまだ使用できるパソコンの場合は、高値で売れることがあります。
例え売れなくても損はないので、まずは使わなくなったパソコンを買取業者に査定してもらうことをおすすめします。買取業者への見積りは、数社を一括で査定してくれるサービスがおすすめです。
数社を比較して、一番高値で買い取ってくれる業者を選べるからです。
高く売れれば、それだけ新しいパソコンを買う費用に回せるのでお得にパソコンの買い替えができます。買取業者に売るなら、高値で買い取ってくれて実績もある信頼できる業者を選びましょう。
まとめ|使えなくなったパソコンも無料で回収してくれる!
パソコンリサイクル法を使うと、使えなくなって処分に困っていたパソコンも無料で回収に出すことができます。「粗大ゴミには捨てられないし、どうしよう?」と悩んでいた方でも、製造メーカーに頼むことで無料で回収してもらえることはうれしいニュースですね。
しかし、それが本当にあなたにあったリサイクル法なのかもう一度よく考えてみることも大切です。より簡単に捨てたいなら、自治体や近所の家電量販店にリサイクルに出すことで申し込みなどの手間が省けます。
また、よりお得にリサイクルしたいなら、買取業者に頼むのも良いでしょう。まずは査定だけでもしてみると、捨てたいパソコンの買取り額がチェックできますよ。
自分に合った方法で賢くリサイクルすることで、気持ちよく新しいパソコンに向き合えるはず。新しいパソコンとのワクワクする出会いを求めて、ストレスなくパソコンを処分しましょう。