「着なくなった喪服は、どのように手放せばいいのだろう?」
「誰かどこかで引き取ってはくれないだろうか?」
このように、喪服の処分方法に困っている方は多いのではないでしょうか。
昨今の喪服事情は、お通夜やお葬式、法事などでは洋装が一般的になっています。洋装は着物に比べて容易なことから和装の喪服は「必要ないかな?」と感じている人もいらっしゃるでしょう。
和装喪服を手放すにしても、捨てるなどの処分方法は気が引けるし、喪服という性質から他人へ譲るのも迷惑になったりするのでは?と考えてしまう方もいるでしょう。
「お金になるならいいけど…喪服なんて買い取ってくれるはずがない」と考えてはいないでしょうか?
この記事は、和装喪服は査定してもらえるのかや、買取ってもらうために知っておくべきポイントなどをご紹介します。
喪服は売れないとはいい切れない
「喪服は査定対象外です!」という買取業者は少なくありません。
「洋装が主流になり、着物の喪服に需要がない」や「死を連想させる」などの理由から、買取の対象とされないケースがあるのです。
しかし、多くはないですが喪服も査定対象としている買取業者もありますので、不要になった和装喪服は売れないとはいい切れません!
また、和装喪服には種類があり「喪服だと考えていた着物が喪服ではない」というケースも考えられるため、査定対象になることもあるのです。
まずは、喪服とは?種類は?などを理解し、自宅の着物は本当に喪服なのかや買い取ってもらえる可能性がある着物なのかなど、ある程度の知識を身につけることが必要です。
着物の喪服とは?種類がある?
喪服は葬儀や法事などの際に着る服ですが、前述したように昨今では洋装が多く和装は遺族などの一部でのみ着られることが多くなっています。
ここでは、現代の喪服事情の紹介や和装喪服とはどのようなものなのか、種類についても説明しましょう。
和装喪服を手放すことに迷っている人は、喪服事情を理解することでスッキリできる可能性もあります。
喪服事情?洋装が多くなっている
男性の和装喪服といえば「紋付羽織袴」というのは昔の話で、現代では黒や暗い色のスーツなどが一般的だといえます。
黒のスーツにワイシャツは白いものを着て、ネクタイや靴下、靴も黒いものにするのがマナーです。
男性の場合は、遺族であっても黒の洋装喪服がほとんどではないでしょうか。
女性の場合でも、遺族や親族以外では黒や暗い色のスーツやワンピースなどが一般的です。
和装喪服の着られているシーン
洋装が主流とはいっても、葬儀の際には少なからず着物を身につけている人を見るのは珍しいことではありません。
男性の場合ですと、多くの人が参列するような葬儀などでは、紋付羽織袴の遺族や親族を見かけることもあります。
女性の場合は、多くの遺族や親族が和装喪服を身につけているのを見るので、まったく需要がないというわけではありませんし、所有しているという人も少なくはないのです。
そのため、和装喪服は所有しておいた方がいいのでは?と考え、手放すのを躊躇してはいませんでしょうか。
しかし、葬儀で着るという性質上、突然であったり久々であったりするので準備時間がないことや、着付けや片付けが忙しくてできないなどの理由から、所有していても借りるというケースもあります。
所有の有無に関わらず、借りるのが効率的という考え方や親族でなければ洋装が主流という背景から、和装喪服はレンタルを利用する人が多くなっているのです。
借りるのが一般的になってきていますが、喪服には家紋を入れる必要があり「レンタルでは対応できないのでは?」と考える人もいらっしゃるでしょう。
レンタル喪服は、家紋の張替対応可能な喪服や、誰でも使える通紋とされる「五三の桐」が入った喪服が用意されています。
万が一のときに着る喪服なので処分できないと悩んでいる人も、容易にレンタルできるので、迷っているなら手放してしまっても問題ないということです。
喪服は3種類にわけられる
喪服は3種類あり、故人との関わりなどによって分けられています。
ここでは、現代でも着られることが多い、女性の和装喪服について紹介しましょう。
正喪服
女性の場合は、喪主を務める人だけが着る喪服です。
和装の特徴は、黒の「五つ紋」付きの着物で、帯と草履は黒、足袋は白のものを着用します。
準喪服
喪主以外の遺族や親族、親しい友人や知人などが着る喪服です。
和装の特徴は、黒の「三つ紋」および「一つ紋」付きの着物で、帯と草履は黒、足袋は白のものを着用します。
現代での準喪服は洋装が多いとされていますが、親族など多くの参列者が着ているほとんどは準喪服の分類です。
略喪服
おもに仮通夜などの急な弔問などで着る喪服とされています。
現代ではほとんど和装にする人はいませんが、黒の「一つ紋」および「三つ紋」付きの着物です。
このように、和装喪服の種類によっての違いは「紋の数」といえます。紋の数は、喪服を売るために何か関係するものなのでしょうか。
喪服を売るために意識するポイント
売れるケースが少ないといわれている和装喪服ですが、喪服の知識をつけたり売る場所を選定したりすると、売れる可能性を高めることができます。
ここでは、喪服を査定依頼するときのポイントを紹介しましょう。
和装喪服は紋の数で種類が違う?
前章で喪服の種類は、「一つ紋」「三つ紋」「五つ紋」と紋の数が違うということに触れましたが、売るためのポイントに何か関係はあるのでしょうか。
買取業者では「喪服は査定対象外!」としている店舗が多くあります。
しかし、喪服の種類である「紋の数」に注目することで、自分が勝手に「査定対象外だな…」と判断してしまっているケースもあるのです。
五つ紋以外なら喪服ではない?
お葬式などで着る黒い着物は、すべて喪服だと考えるのは一般的なことではないでしょうか。
また、マナーを意識するなら、喪服と思ってもいない着物を身につけて葬儀へ出向く人もいないでしょう。
しかし、着物の分類として「喪服」なのは「五つ紋」付きの着物とされ、喪服だと考えていた「三つ紋」「一つ紋」の着物は色留袖・訪問着・色無地などになります。
そのため「喪服は査定対象外!」の買取業者であっても、査定対象になる可能性があるというわけです。
背中にひとつ、両胸にひとつずつ、両袖にひとつずつ、計5つの紋がある着物が「五つ紋」付きとなります。
喪服を手放すことを検討しているなら、自宅の着物を確認してみてはいかがでしょうか。
証紙をつけてセット一式で査定
着物には、品質や価値を保証す証明書「証紙」が発行されているものがあります。
証紙とは、織元の産地やブランド名、伝統工芸品や重要無形文化財なのか、絹100%なのかや織り方、染め方や刺繍法などの証明書です。
証紙は、査定でも考慮される証明書となりますので、自宅にあるなら査定してもらう際には必ず一緒に見てもらいましょう(証紙がないと査定不可ということはありません)。
また、着物は新品で購入した際に、襦袢や帯などがセットになっていることがほとんどです。
セット品があるなら、一式すべてを査定してもらうことで、買取金額が高くなるケースもあります。
喪服の買取相場を知って処分方法を考慮
買取相場は、喪服自体を取り扱っていない業者が多いため高くはないとされています。
不要なものを処分する場合、売ることができるなら捨てるよりはいいと考えるのは当然です。
しかし、高いとはいえない相場を知ることで、他の処分方法も検討してみたいという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、喪服の買取相場を説明したうえで、買取も含めたさまざまな処分方法を紹介します。
喪服の買取相場
一般的に、喪服の買取相場は「数百円~1,000円代」とされています。
新品価格が100,000円オーバーのブランド着物でも、査定価格は4,000円程度というのが一般的です。
また、シミや虫食いなどがある保存状態が悪いものだと金額がつかなかったり、10年以上経過したものは売れなかったりと、さまざまなケースがあります。
しかし、着物としてではなく喪服というジャンルにおいての相場です。
喪服と考えていた着物が、喪服と判断されずに査定されることもあり、査定額が相場よりも高くなる可能性もあります。
買取相場が低いならどうする?
買い取ってもらえなかったり買取価格が安かったりするなら、ほかによい処分方法を検討したいという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
喪服を処分する、さまざまな手段を紹介します。
子孫や親戚などに受け渡す
娘や孫へ受け継いだり、親戚や知人などに受け渡したりする方法もあります。
しかし、洋装が主流となっていることや、そもそも自分が不要と感じているものを渡すのは、いくら親しい間柄でも迷惑となる可能性もあるのではないでしょうか。
喪服という性質から、渡された側も「母から受け継いだ喪服だから…」と処分に困ってしまうことも考えられるのです。
寄附する
喪服を引き取り、リユースし使いたい人に利用してもらうというサービスもあります。
受け継いだ喪服であった場合、捨てるくらいなら使いたい人の手に渡った方がよいという考え方もあるのではないでしょうか。
しかし、寄附といっても引き取ってもらうには、少額ですが料金が発生するケースも少なくはありません。
リサイクルショップ・古着屋
喪服も含め、着物全般の専門知識がある査定員が常駐しているショップばかりではありません。
ほとんどのショップでは、着物をメインで取り扱っているわけではないので、査定も重さだけで算出されるなど、着物の適正な買取価格が提示されないケースもあります。
また、喪服という性質上、無料で引き取ったり引き取り自体を受け入れなかったりするショップも少なくはありません。
着物買取専門店
着物査定のプロなので、「これは喪服だ」という先入観で査定することはありません。
「三つ紋」付きなどの喪服だと思っていた着物が、喪服としてではなく着物として査定してくれるケースもあるのです。
そのため、前述の喪服買取相場より適正な価格になる可能性があります。買取相場を低いと感じるなら着物買取専門店で査定してもらうべきでしょう。
また、基本的には持込査定が多い買取専門店ですが、出張や宅配に対応するショップもりますので、持ち運びが困難な人や時間が取れないという人には利用しやすいといえます。
しかし、着物買取専門店であっても「喪服は査定対象外!」としている店舗も少なくはありません。
喪服を買取ってくれる着物買取専門店を見わけるにはどうすべきなのでしょうか。
喪服の買取でおすすめの着物買取専門店!
自宅の着物が、喪服なのかそうではないのか判断できないこともあるのではないでしょうか。
ここでは、「喪服も査定対象!」としているショップも含め、2店舗紹介します。
福ちゃん
「この着物は喪服?」と悩んでいるなら、一度「福ちゃん」に相談してみてはいかがでしょうか。
喪服だと思っていたきものでも、高値で買取ってくれる可能性もありますので、諦めずに査定依頼してみるべきでしょう。
おもなサービス内容は、次のとおりです。
査定方法 | 出張、宅配、持込 |
予約、受付方法 | 電話かWEB(予約は24時間、土日祝も可) |
出張対応地域 | 47都道府県 |
手数料など | 査定、キャンセル、出張、送料無料(宅配不成約は返送料のみ有料) |
支払い方法 | 出張と持込買取は即現金払い、宅配買取は最短振込 |
ザ・ゴールド
貴金属やブランド品の買取などテレビCMでお馴染みの「ザ・ゴールド」は、着物の買取にも強い買取専門店です。
ザ・ゴールドも、他店では査定対象とならない着物でも丁寧に査定してくれます。喪服と思っていた着物も、相談してみる価値はあるといえるでしょう。
また、女性査定員も多数在籍しているので、高齢の方や女性のひとり暮らしでも安心して査定依頼できるのではないでしょうか。
おもなサービス内容は、次のとおりです。
査定方法 | 出張、宅配、持込 |
予約、受付方法 | 公式HPから24時間受付の査定申込フォーム |
出張対応地域 | ※21都道県(地域によっては即日査定も可) |
手数料など | 査定、キャンセル、出張、送料無料(宅配不成約は返送料のみ有料) |
支払い方法 | 出張と持込買取は即現金払い、宅配買取は最短振込 |
※21都道県については公式HPで確認ください
申込以外の問い合わせなどは、メールフォームや電話で可能です。
各買取専門店の公式HPでは、買取実績や利用者の体験談など、参考となる情報が閲覧できますので是非ご覧になってみてください。
まとめ
・一般的に和装喪服は買い取ってくれないといわれているが、売れないとはいい切れな
・喪服だと考えていた着物も、「五つ紋」付き以外なら着物として査定される可能性がある
・買取相場は、喪服と判断されるものだと「数百~1,000円代」といわれている
喪服は、ほかの着物に比べて著しく買い取ってもらえる可能性が低いものといえます。
しかし、喪服の種類を知り、査定依頼するショップを選定することなどで、買取ってもらえる可能性を広げられるのです。
処分に困っている喪服があるなら、「喪服も査定対象」としている着物専門買取店などへ相談してみてはいかがでしょうか。