要らなくなった着物を処分したい、だけど処分方法がわからない…そんな悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。
この記事では、着物の正しい処分方法を解説していきます。様々な処分方法を比較して、最終的に自分が一番利用しやすい方法を選びましょう。
着物を処分する流れ
最初に着物を処分する流れを把握しておくと、手続きをスムーズに進めていくことができます。
売れるかどうか見極める
着物は売れるものと売れないものがあります。せっかく高値で売れたものを捨ててしまうのはもったいないので、まずは買い取りしてもらえるかどうか確認しておきましょう。買取業者に相談すれば、無料で査定してくれます。
古くて値段がつきそうにない着物でも、実際に査定を受けてみると、思わぬ価値がつくことがあります。着物の価値は素人には分からないので、プロに相談するのが無難です。
もし買い取りを断られてしまった場合は、別の処分方法を検討しましょう。
譲渡・寄付できるかチェック
着物を欲しがっている知人や友人に譲渡すれば、着物を無料で処分することができます。もし、欲しがっている知人や友人が見つからない場合は、ボランティア団体に寄付して処分することもできます。
「捨てるのはもったいない」という人も、譲渡や寄付をすれば着物の再利用ができるので、問題ないですね。
いずれも無理な場合は捨てる
買取や譲渡など、いずれの方法も無理な場合は、自分で捨てるしかありません。着物は家庭ゴミとして捨てることができますが、自治体によって分別方法が異なるので注意が必要です。
事前にお住まいの自治体のホームページを確認して、ゴミの扱い方を確認しておきましょう。
着物の買取方法
着物を買い取りしている業者は複数あります。どの業者を選ぶかによって買取価格も変わってくるので注意が必要です。
各業者の特徴を比較して、自分の都合や目的に合った買取方法を選びましょう。
リサイクルショップに売る
近所のリサイクルショップに持ち込めば、その場で査定してくれます。リサイクルショップは全国各地にあるので、一番手っ取り早い売却方法だと言えるでしょう。
着物の数が多い場合は、出張買取を依頼することもできます。ただ予約が混んでいると、都合のいい日に予約を取るのが難しくなるので注意が必要です。急いでいる人は、早めに予約を申し込んでおきましょう。
リサイクルショップで売るのは簡単ですが、高値で買い取りしてもらうのは難しいと言えます。リサイクルショップには着物の価値がわかる査定士がいないため、本来高値で売れたものが数百円程度の安値で買い叩かれることもあります。新品の一割以下の価格で買い取りされるのが一般的なので、高額買取は期待できません。
高値で売れそうな着物は、リサイクルショップではなく別の買取業者に依頼しましょう。
着物買取専門店に売る
着物を1円でも高く売りたいのであれば、着物買取専門店に査定を依頼しましょう。専門店には着物の価値がわかる査定士がいるため、適正価格をつけてもらうことができます。
リサイクルショップで値段がつかなかったものが、専門店に頼むと思わぬ高値がついたというケースは珍しくありません。多少古いものでも値段がつくことがあるので、試しに査定を受けてみましょう。
着物買取に特化している専門業者の場合、複数の販売販路を確保しているため、他の業者に売るよりも高値がつきやすいメリットがあります。高額買取を実現したいなら、着物買取専門店に売るのが得策です。
ただ、着物買取専門店はリサイクルショップのようにたくさんの店舗があるわけではありません。自宅近くに着物買取専門店が見つからないこともあります。その場合は、出張買取に対応している専門店に依頼しましょう。
宅配買取を利用する
地方に住んでいると、近くに買取業者がないということもあるのではないでしょうか。着物を売るために、わざわざ遠方まで出向くのは面倒ですよね。
そんなときに役立つのが宅配買取です。最近は宅配買取を行なっている業者が増えており、ネットで検索すれば、簡単に宅配買取業者を探し出すことができます。
宅配買取であれば、宅配便を利用して着物を簡単に売却することができます。全国どこからでも買い取りを申し込むことができるので、地方に住んでいる人も利用しやすいメリットがあります。ダンボールに着物を詰めて送るだけで売却できるため手間がかかりません。
事前に複数の業者に見積もりを依頼して、一番高値で売れそうな業者に依頼すれば、高額買取を実現することも可能です。
ただ宅配買取の場合は、お金を受け取るまでに早くても2〜3日程度の時間がかかります。対応の遅い業者だと、入金されるまでに1週間ほどかかることもあるので要注意です。
事前に各業者のホームページをチェックして、入金スピードに問題がないかどうか確認しておきましょう。
質屋に売る
質屋でも着物の買い取りは行なっています。質屋は「買取」と「質預かり」の2つのビジネスモデルがあるため、自分の都合に合わせて好きな方法を選ぶことができます。
着物を売る決心がつかない場合は、とりあえず質預かりを利用してみるといいでしょう。しばらく様子をみて、「やっぱり着物を手元に置いておきたい」と思った場合は、質屋から着物を取り戻すことができます。「やっぱり手放そう」と思えば、そのまま引き取ってもらうことができるので、大変便利です。
ただし、すべての質屋が着物の買い取りを行なっているわけではありません。査定を依頼する前に、着物の買い取りを行なっているかどうかチェックしておきましょう。
ネットオークション・フリマアプリで売る
買取業者に依頼するのが面倒な場合は、ネットオークション・フリマアプリを利用して自分で売ることもできます。どちらもネットで取引を行うため、わざわざ店まで着物を持ち込む必要がありません。タイミングよく買い手が見つかれば、買取業者に依頼するよりも高値で売れることがあります。
ただし、ネットオークションとフリマアプリは基本的に個人間取引となるため、なにかとリスクがつきまといます。着物の状態に難があると、クレームをつけられることもあるので要注意です。
出品作業や配送作業にも手間がかかるため、初心者にはハードルの高い方法だと言えます。すぐに売れるという保証もないので、すぐに着物を売りたい人には不向きです。あくまで時間に余裕のある人向けの売却方法だと言えます。
着物を高く売るコツ
せっかく売るなら、高値で買い取りしてもらいたいですよね。着物を査定に出す前に、高く売るコツを身につけておきましょう。
証紙も一緒に査定に出す
証紙とはいわゆる品質保証書のようなものです。この証紙には、産地の登録商標や織元の名前、伝統工芸品マークなどが記載されています。
買取業者が着物を査定するときは、一番最初に証紙の有無をチェックします。証紙があれば、その着物は本物だということを証明できるため、高額買取につながりやすくなります。高級な着物ほど証紙の有無が重要になってくるので、着物を売る前に証紙が残っていないかどうか確認しておきましょう。
すべての着物に証紙がついているわけではありませんが、証紙があれば着物の買取価格は上がりやすくなります。近い将来、売ろうと思っている着物があるなら、証紙をなくさないように大切に保管しておきましょう。
保管方法に気をつける
着物を高く売るはコンディションが重要になってきます。着物にシミや汚れがついていると、減額対象となってしまうので要注意です。
着物を高値で売りたいなら、着物の扱い方や保管方法に気を遣いましょう。着物は湿気に弱いので、通気性のいい場所に保管しておく必要があります。ただ何年も保管したままだと、いつの間にかカビが生えていたなんてこともあるので、定期的にお手入れをしてあげてください。
タンスやクローゼットに長期間保管する際は、着物にシワがつかないように、畳み方にも注意を払いましょう。
事前査定を受ける
どの業者も査定を受けるだけであれば基本的に無料で対応してくれます。一つの業者に査定を受けただけでは、その価格が高いのか安いのか判断できないので、少なくとも3〜4つの業者に査定を依頼しましょう。
査定を受けるといっても、わざわざ店頭まで出向く必要はありません。メール査定や電話査定など様々な査定方法が用意されているので、簡単に各業者の査定額をチェックすることができます。
各業者の査定額を比較すれば、安値で買い叩かれる心配もなくなります。
早めに売る
着物を何年も放ったままにしておくと、どんどん劣化していってしまいます。当然ながら、劣化した着物を高値で売ることはできません。
「もう要らない」と思ったら、早めに売ってしまいましょう。状態のいいうちに売ってしまえば、高額買取が可能になります。
「いつか使うかも」と思って決断を先送りしているうちに、着物の買取相場もどんどん下がっていってしまいます。「捨てようかな」と思った時が着物を売るベストタイミングです。なるべく早めに売って、高額買取を実現しましょう。
着物を譲渡・寄付する
たった数回しか着ていない着物を捨ててしまうのはもったいないですよね。親から受け継いだ着物や成人式で着た振袖などは、なおさら捨てにくいのではないでしょうか。
そんなときは譲渡や寄付を検討してみましょう。着物を欲しがっている人に譲れば、着物を再利用することができます。
知人・友人に譲渡する
友人や知人に譲渡すれば、着物を簡単に処分することができます。友人や知人にとっても、着物を無料でもらえるのは、かなりメリットが大きいのではないでしょうか。
他の洋服に比べて着る機会が少ない着物は、新品を購入するよりも、家族や友人がきた着物を借りるケースが多いと言えます。七五三や成人式など、着物を着るイベントを控えている知人や友人がいたら、一度相談してみましょう。
ジモティーを利用する
周りに着物を引き取ってくれる友人・知人が見つからない場合は、ネットの掲示板サービスのジモティー(https://jmty.jp/)を利用して、譲渡する相手を探すことができます。
ジモティーとは、不用品を出品して同じ地域に住んでいる人に譲ることができるサービスです。オークションサイトを利用する場合と違って、ジモティーは登録手数料などが一切かからないため、無料で着物を他人に譲渡することができます。
落札された品物は出品者と落札者が直接手渡しをすることになっており、発送作業や梱包をする手間がかかりません。送料もかからないので、出品者と落札者双方にメリットがあると言えます。出品方法も簡単なので、初めての人も簡単に利用することができます。
ただ、他人と会うのは気が引けるという人は、別の処分方法を検討したほうがいいかもしれません。
寄付する
着物の寄付を受け付けているNPO法人、NGO団体、市民団体は複数あります。少し汚れている着物でも問題なく引き取ってくれる場合が多いので、一度相談してみましょう。
着物だけでなく、帯や下駄などの小物類も回収対象となるため、まとめて処分したいときに便利です。「寄付をして社会貢献がしたい」という人には、この処分方法が適しています。
寄付先に着物を直接持ち込むこともできますが、遠方に住んでいる場合や、持ち込む時間がない場合は、宅配業者を利用して寄付することもできます。送料は自己負担となりますが、寄付金は発生しないので、出費は最小限に抑えられます。
着物を自分で捨てる
買い手や引き取り手が見つからなかった古い着物は、自分で捨てて処分しましょう。一言で捨てるといっても様々な捨て方があるので、自分に合った方法を選ぶ必要があります。
自治体によってゴミの区分が異なる
着物は家庭ゴミとして処分することができます。ただし、ゴミの区別は各自治体によって異なるので注意が必要です。
資源ゴミとして出すように定めている自治体もあれば、有料の可燃ゴミで出すように定めている自治体もあります。
着物を家庭ゴミとして捨てるときは、事前に自治体のホームページをチェックしたり、担当課に電話で問い合わせたりして詳細を確認しておきましょう。
着物の捨て方には細かな決まりがある
着物の捨て方は、自治体から細かく指定されているケースが多いので要注意です。小さく畳むだけでOKなところもあれば、小さく切って捨てないとダメというケースもあります。
細かなルールや制限がなく、燃えるゴミとして捨てられるところもありますが、すべての自治体がそうとは限りません。必ずお住まいの自治体の捨て方を事前に確認しておきましょう。
不用品回収業者に引き取ってもらう
処分したい着物の数が多くて、ゴミとして捨てるのが難しい場合は、不用品回収業者に依頼して引き取ってもらうこともできます。
不用品回収業者に依頼すれば、都合のいい日に自宅まで引き取りに来てくれるので大変便利です。荷物の運び出しもすべて業者が行なってくれるため手間がかかりません。着物の他にも不用品をまとめて引き取ってくれます。
業者に依頼すると回収料金が発生しますが、買取可能な不用品があった場合は、回収料金から買取金額を差し引いてくれます。
まとめ:
思い入れの深い着物だと、捨てるのは忍びないですよね。着物は古いものでも値段がつくので、まずは買取業者に相談してみましょう。思わぬ高値がついて驚いてしまうかもしれません。
買取が難しいと言われた場合は、譲渡したり寄付したりして、着物を再利用することができます。
捨てるしか方法がない場合は、事前にお住まいの自治体のホームページなどで、ゴミの分別方法をチェックしておきましょう。