大阪市にお住まいの方で、粗大ゴミを処分するにはまずは市に依頼をと考える方は多いでしょう。
しかし実は、民間の不用品業者による粗大ゴミ回収は、行政のサービスにはないメリットがあります。
この記事では大阪市による粗大ゴミ回収と、民間の不用品回収業者のサービス内容を比較してみました。
目次
大阪市で粗大ゴミを処分する方法は2つ
大阪市で粗大ゴミを処分する方法は、大きく二つに分かれます。
一つは大阪市行政に依頼をする、もう一つは民間の不用品回収業者に依頼をするという方法です。
もちろん、それぞれにメリット・デメリットがあります。
大阪市の粗大ゴミ回収を利用する方法
大阪市行政の粗大ゴミ回収を利用するには、「大阪市粗大ゴミ収集受付センター」に申し込みをする必要があります。所定の手続きを済ませると、センターが指定した日時に回収にやってきます。
不用品回収業者を利用する方法
大阪市の不用品回収業者は、ネットで「大阪市 不用品回収」などと検索すれば、たくさんの業者が出てきます。自分でその業者に連絡を取って、回収に来てもらうという方法です。
大阪市による粗大ゴミ回収の利用手順
まずは、大阪市行政に粗大ゴミを回収してもらうための利用手順をご紹介します。行政のサービスは安くて安心ですが、利用者自身で行わなければならない作業が多く手間がかかるという特徴があります。
大阪市粗大ゴミ収集受付センターに申し込み
大阪市粗大ゴミ収集センターへの申し込みは、電話かインターネットから行います。
申し込み方法 | 受付曜日 | 受付時間 | 申し込み先 |
電話 | 月〜土(祝日含む) 12/29-1/3は休み | 9:00-17:00 | 固定電話 0120-79-0053 携帯電話 0570-07-0053 |
インターネット | 365日 | 24時間 | https://s-kantan.com/kankyo-osaka-u/offer/offerList_initDisplay.action |
電話は相当つながりにくいという口コミが多いため、パソコンやスマホ、タブレットをお持ちの方であればインターネットからの申込みが合理的です。表内に記載したURLの受付システムへアクセスし、必要項目を入力すれば受付番号が発行されます。
電話申し込みの場合は、とにかく繋がるまで電話をかけまくるしかありません。FAXやハガキでの申し込みも可能ですが、スムーズな申し込みとは程遠いため、極力インターネット申し込みを利用しましょう。
どの申し込み方法でも、回収予約できるのは最短で4営業日程度かかります。土曜祝日も営業しているので、営業日にカウントしないのは日曜日だけです。予約の際には最長で1か月後の日付まで指定することができます。
予約を申し込む前に、回収してもらいたい粗大ゴミが対応可能か確認をしましょう。家電リサイクル法が適用される電化製品や、家庭用のPCなどは行政の粗大ゴミの対象にはなりません。また事業用ゴミも粗大ゴミとして扱われません。
粗大ゴミ処理手数料券を購入し、粗大ゴミに貼る
予約が済んだら粗大ゴミ処理手数料券を購入します。 コンビニ、スーパー、郵便局などで購入が可能です。品目別に200円、400円、700円、1000円に分かれていますので、申し込みの際に指定された額の手数料券を購入しましょう。有効期限はありませんが、払い戻しはできません。
手数料金には受付番号を記載する欄があるので、そこに予約の際に発行された番号を記入します。記入したら粗大ゴミに貼り付けてください。貼り間違いや破損があっても再発行できないので注意しましょう。
予約した日に指定の場所に出す
予約した日の朝の9時までに、指定場所に粗大ゴミを置いておく必要があります。たいてい家の前ですが、場合によっては特別に指定されるケースもあるようです。
この際に以下の状態の粗大ゴミは、回収されず特に確認連絡ももらえないので注意してください。
- シールが貼っていない
- 申し込んだ物品とは違うものが置いてある
- 申し込んだ物品以外の物品がまとめて置かれている
- 貼られている手数料券の金額が足りない
回収がされなかった粗大ゴミはまたゼロから予約をし直す必要があります。また予約の日に外に出し忘れていたというような場合も、特にインターホンや電話での確認はしてくれません。必ず朝9時前に粗大ゴミを置いておくのを忘れないようにしましょう。
基本的に、粗大ゴミは全部自力で指定の場所に出すのがルールです。しかし、高齢者や障害者の場合、持ち出すのが難しいケースもあります。そのため市の環境局の職員が、粗大ゴミの回収を家の中まで入って手伝う「ふれあいサービス」があります。
ふれあいサービスはゴミ収集センターではなく、環境事業センターの管轄です。利用したい場合は、お住いのエリアを管轄する環境事業センターに連絡する必要があります。
大阪市環境事業センター一覧 | https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000009981.html |
大阪市の処理施設への持ち込みも可能
すぐに処分したい場合は処理施設に直接申し込むこともできます。この場合は持ち込み日の前日までの電話予約が可能です。予約なしでの当日申込みはできません。混雑具合によっては翌日の予約が出来ないケースもあります。料金は10kgごとに90円です。粗大ゴミ以外の一般ゴミや事業用ゴミも持ち込むことができます。
サイズが大きい粗大ゴミを破砕処理したい場合は、舞洲工場で破砕をすることができます。この場合に木製などの燃える粗大ゴミと金属製などの燃えない粗大ゴミは別々に持ち込む必要があります。処理場への持ち込みは1日1回のため、複数日に分けなければなりません。
大阪市行政による粗大ゴミ回収の品目別手数料
大阪市に粗大ゴミ回収を依頼した場合の手数料は以下の通りです。該当の手数料券を購入し、粗大ゴミに貼る必要があります。
サイズによる料金の違いは、幅・奥行き・高さの合計で決まります。
- 合計1.5m未満:200円
- 合計1.5m〜2.0m未満:400円
- 合計2m〜2.5m未満:700円
- 合計2.5m以上:1,000円
特に知りたい人が多い粗大ゴミ品目の手数料について掲載しておきます。詳しくは大阪市の粗大ゴミ処理手数料一覧表をご確認ください。
品目 | 手数料 |
---|---|
プリンター | サイズによる(上記合計値参照) |
カーペット | サイズによる(上記合計値参照) |
クーラーボックス | 200円 |
電気こたつ | 200円 |
布団、毛布(4枚まで) | 200円 |
スーツケース | 200円 |
スピーカー | 200円 |
炊飯器 | 200円 |
扇風機 | 200円 |
掃除機 | 200円 |
ベッド本体 | 1,000円 |
ベットマットレス(シングル) | 700円 |
ベットマットレス(セミダブル) | 1,000円 |
本棚 | サイズによる(上記合計値参照) |
ミシン(卓上型) | 200円 |
ミシン(卓上型以外) | 700円 |
ゴルフクラブセット | 200円 |
ゴルフバッグ | 200円 |
自転車 | 400円 |
テーブル(天板の最大の辺もしくは直径が1m未満) | 400円 |
テーブル(天板の最大の辺もしくは直径が1m以上) | 1,000円 |
電子レンジ | 400円 |
ビデオデッキ | 200円 |
ガスコンロ | 400円 |
大阪市の一覧表にないものについては、直接問い合わせて回収できるか確認する必要があります。また、蛍光灯、家電リサイクル法対象の4品目、家庭用PC、古紙類、危険物、建築廃材、事業用ゴミは粗大ゴミとして回収してもらうことはできません。
大阪市行政による粗大ゴミ回収のメリット
大阪市による粗大ゴミ回収は、行政が行なっているので安心というイメージをお持ちの方は多いかもしれません。実際はどのようなメリットがあるのでしょう。
料金が安い
大阪市行政による粗大ゴミ回収の手数料は、前述したように数百円から高くても1,000円です。回収費用が非常に安いのがメリットといえます。
大阪市行政による粗大ゴミ回収のデメリット
しかし残念ながら、大阪市行政による粗大ゴミ回収のメリットは、料金が安いことに尽きます。公的機関が行うサービスの例に漏れず、柔軟性やサービス精神というものは一切存在しないので、利用者に時間や手間がかかる仕様です。下記のようなデメリットがあります。
申し込みの電話がなかなか繋がらない
インターネット申し込みが可能になったことでだいぶ改善されましたが、以前は電話申し込みが非常に繋がりにくいことで有名でした。 平日の日中仕事をしている会社員にとっては、申し込みするまでが大変不便なサービスでした。
現在でも問い合わせは電話でする必要があります。何か不明点やトラブルが発生した場合、受付してもらうまでの時間がかかるのがデメリットとして残っています。
「指定日にゴミを出していたのになぜか回収がされなかった。理由の確認と対応方法を知りたくて電話をかけ続けたが、全くつながらず困っている」というような口コミも見られます。
回収までに時間がかかる
申し込みをしてすぐに回収に来てくれるわけではないのも、デメリットです。最短でも4営業日はかかり、繁忙期だと2週間程度待たされることもあります。急な転居など、すぐに粗大ゴミを処分したい場合には使えないケースは多いです。
準備に手間がかかる
- 申し込みをする
- 場合によっては粗大ゴミの解体をする
- 手数料券販売店に券を買いに行く
- 粗大ゴミに券を貼り付け、指定日時の朝の9時までに指定場所に出さなければならない
ざっとこのような手順が必要になります。
粗大ゴミ一つ一つに対してこの手続きが必要になります。場合によっては複数の粗大ゴミが全部バラバラの日付での回収になることも考えられます。
粗大ゴミ回収日間近になって追加で粗大ゴミが発生しても、回収をまとめてもらうことはできません。新たに申し込みをして後日回収という手順になります。
家電リサイクル法適用の4品目は回収できない
家電リサイクル法適用の4品目とは、「エアコン・テレビ・冷蔵庫及び冷凍庫・洗濯機及び衣類乾燥機」です。
これらの家電を廃棄すする場合の基本的なルールは「購入した小売店に回収を依頼する」「郵便局で家電リサイクル券を購入し、指定場所に自力か運送会社に依頼して運搬する」というものです。
家電リサイクル法適用の4品目は行政での対応が一切出来ない品目になります。
事業用ゴミは回収できない
また品目が一般家庭から出た粗大ゴミと変わらなくてもオフィスや店舗から出た事業用ゴミは粗大ゴミとして回収してもらえません。産業廃棄物処理業者に依頼をして廃棄する必要があります。
不用品回収業者の利用手順
粗大ゴミの回収は、民間の不用品回収業者を利用するという方法があります。インターネットから「大阪市 不用品回収」などで検索をし、業者に直接問い合わせをしてみましょう。
単品での回収ももちろん可能ですが、ある程度まとまった量の粗大ゴミの回収であればさらにお得です。費用も節約でき行政に依頼するより手間もかかりません。無料で見積もりに来てくれるかどうかも業者選びのポイントです。
大阪市の不用品回収業者による粗大ゴミ回収のメリット
民間の不用品回収業者による粗大ゴミ回収のメリットは、営利目的の業者ならではのサービスの良さと利用者自身の負担を大幅に軽減できる点です。費用をかけても楽な方がいいというニーズに答えるのが、民間業者といえます。
受付の対応が迅速
電話すればすぐに「問い合わせへの対応」「無料見積もりの受付」「回収日の予約」などが可能です。受付自体に長い時間がかかるということはありません。
粗大ゴミ回収は即日も可能
業者のスケジュールさえ空いていれば、申し込みした当日に粗大ゴミ回収や無料見積もりに来てもらうことも可能です。そこまで急ではなくても、大阪市行政のように一週間程度も待たされるという可能性は低いです。
準備はほぼ不要
民間の不用品回収業者に粗大ゴミを出す場合、基本的には利用者側での準備は不要です。運搬も業者が屋内に入りおこなってくれます。粗大ゴミが大量にある場合、重量のある粗大ゴミの場合は、間違いなく民間の不用品回収業者の方が楽です。
ただ場合によっては、業者が来る前にある程度仕分けや分解をしておいたほうが早く済むケースもあるでしょう。時間単位での課金になる場合は、事前準備をしておくことで費用を抑えられる場合もあります。
家電リサイクル法適用の4品目も回収できる
民間の不用品回収業者は、家電リサイクル法の例外として家電4品目の回収が可能です。テーブルや本棚といった家具と同時に、冷蔵庫やテレビなどの回収もまとめて依頼することができます。
産業廃棄物回収業者の資格があれば事業用ゴミも回収できる
ほとんどの不用品回収業者は産業廃棄物回収業者の資格を持っています。この資格があれば事業用ゴミの回収も可能なので、オフィスや店舗から出た粗大ゴミの回収も可能です。
複数の粗大ゴミ回収であれば安上がりで楽
民間の不用品回収業者は、「トラック積み放題」のような大量の粗大ゴミ回収にも対応しているサービスがあります。
大型の家具や家電、ゴミ屋敷の一般ゴミなど、大規模なゴミ回収の場合は大変便利です。また行政のように一つ一つの粗大ゴミに手続きを行う必要がないため、手間が少なく楽に済ませられます。
大阪市の不用品回収業者による粗大ゴミ回収のデメリット
大阪市で民間の不用品回収業者を選ぶデメリットの第一はやはり費用面です。また悪質な業者がいないわけではないため依頼の際の見極めも大切です。
単品での回収だと高くつく
民間の不用品回収業者の場合、単品だと最低でも1,000円程度、高いものだと1万円弱かかるケースがあります。さすがに大阪市行政の手数料に比べると開きがあります。
ですので、トラック積み放題のような定額の不用品回収サービスを利用し、一気に粗大ゴミを処分してしまうほうがコストが下がります。また、モノによっては買取が可能な場合があるため、見積もりの際に買取可能であれば希望する旨も伝えるようにしましょう。
中には悪質な業者もいる
最近はだいぶ減りましたが、住宅街をトラックで拡声器を使って流している、ポストにチラシを投函しているような業者は、慎重に利用する必要があります。相場より高い料金をふっかけたり、恐喝まがいのやり口を取るケースも耳にします。
残念ながら小規模な事業者の場合、必ずしもクリーンな不用品回収業者とは限らないのが事実です。資格を取得していないにも関わらず不用品回収を行い、適切な費用をかけずに不法投棄する業者は存在します。
基本的には飛び込みでの業者の利用は避け、ホームページ等で自分で業者選定をしましょう。
大阪市の不用品回収業者による粗大ゴミ回収料金の目安
大阪市の不用品回収業者を利用する場合、粗大ゴミ回収料金の目安はどれくらいなのでしょうか。
大きく分けて粗大ゴミ単品での回収と、積み放題の2種類があります。前者の場合は品目別の回収料金の他に、各種サービス料金がプラスされる場合がほとんどです。
品目・サイズ別の回収料金
民間業者の品目別の回収料金はかなりばらつきがあります。かなりざっくりですが小型の家電や家具であれば1,000円から3,000円程度、大型家具や家電になると4,000円から1万円程度での回収になるようです。
品目別の回収料金に作業費用が含まれている場合もありますが、別途人件費や運搬費、手数料などが追加される場合が多いです。単品での不用品回収を頼んだ場合でも、最終的にざっくり5,000円から1万円は発生すると思っておいた方がいいかもしれません。
ただし、回収した品目の粗大ゴミの中に買取も可能な物品があった場合は、総額から割引されるような計算になります。思ってより安く済んだというケースもあるようです。
トラック積み放題の場合の回収料金
民間の不用品回収業者に依頼をする場合、トラック積み放題のような定額のサービスを利用し、大量の粗大ゴミ、大型の粗大ゴミをまとめて捨てるというやり方が安上がりです。この方法であれば、大型家具・家電をどれだけ積んでも、荷台にスペースがある限り定額で収まります。以下料金目安です。
- 軽トラ摘み放題:9,000円〜30,000円
- 2tトラック摘み放題:20,000〜50,000円
- 4tトラック摘み放題:40,000円〜
定額積み放題の場合、定額の料金以外がかからない代わりに、買取による割引もありません。
基本的には定額ですが、現場の状況や物品の増減によりプラスの費用が発生するケースもあります。また家電リサイクル法が適用される4品目の回収をする場合に、リサイクル費用に関しては定額に含まず上乗せするケースもあります。
事前に無料見積もりをして、不要な出費を避ける工夫が必要です。
まとめ
・大阪市で粗大ゴミを処分する方法は、「大阪市粗大ゴミ収集センター」か民間の不用品回収業者
・大阪市の粗大ゴミ収集センターの利用には時間と手間がかかる
・大阪市の粗大ゴミ回収センターを利用すれば安い
・大阪市の粗大ゴミ回収センターは粗大ゴミ回収まで時間がかかる
・大阪市の粗大ゴミ回収センターは家電リサイクル法が適用される品目を回収できない
・民間の不用品回収業者はすぐに粗大ゴミを回収できる
・民間の不用品回収業者はコストがかかる
・民間の不用品回収業者は買取も可能
・民間の不用品回収業者は家電リサイクル法が適用される品目も回収可能
粗大ゴミのボリュームや大きさ、重量が増えれば増えるほど、民間の不用品回収業者を利用したほうが手間を省けます。費用と利便性のバランスを見極めて、行政のサービスか、民間に依頼するかを検討しましょう。